第8章 壁外調査
壁外調査当日。
兵士達は今日も己の命を賭して、壁外へ向かう。
エルヴィンを先頭に門の前に待機している兵士達。
まもなく開門だ。
「スーッ、…ハーッ。」
深く深呼吸すると、血が全身を巡り、自分の"生"を実感する。
「緊張するか?」
真っ直ぐ前を向いたまま、ソフィアに尋ねるリヴァイ。
もちろん緊張もある。恐怖だってある。
だが、ソフィアの心を占めていたのは好奇心だった。
初めて見る壁の外に、ソフィアはささやかな好奇心を抱いていた。
「大丈夫です。少し落ち着こうと思っただけですから。」
馬の背を手のひらでスルリと撫でる。
これから壁外調査の度に、世話になる私の愛馬エポニーヌ。
深い茶色の堂々とした体躯で、壁外では何よりの頼りになる存在だ。
ソフィアはエポニーヌに身体を寄り添え
「よろしく、エポニーヌ。」
と呟いた。
開門三十秒前。