第5章 調査兵団入団式
「突然大声を出してごめんなさい。でも、アリアナ、よく聞いて?」
アリアナの言った通り、リヴァイ班は他の班より危険な立ち回りをこなさなければいけない時もある。
でも、壁外に出れば皆んな同じ。
同じ装備を身につけ、同じ危険を背負い、同じ敵に向かっていく。
そこにどんな差があるというのか。
「どこの班に配属されても、私たちには同じ危険が待っている。ならば、全力を尽くして、命の限り戦うだけ。
そして、それは私自身が選択した道。そこに後悔などない。」
「ソフィア…。」
アリアナは、まだ不安そうな表情を見せる。
「アリアナ、そんなに心配しないで?なぜなら私は強いから。そう簡単には死なない。」
ソフィアはきっぱりと断言する。
すると、アリアナは涙目のままプッと吹き出し、そのままお腹を抱えて笑い出す。
「ちょっと、そこまで笑わなくても。」
「アハハッ、ごめん、ごめん。あまりにもストレートに言うもんだから。…そうだね、ソフィアは私達の誰よりも強い。すっかり忘れてたわ。」
アリアナはすっかり笑いの治った体で、ソフィアを抱き寄せる。
そして、芯の強い声でこう言った。
「絶対に死なないでね、ソフィア。」
「私の力が許す限りは、約束する。」
しばらく抱き合った二人。
二人の間を引き裂くものは何もなかった。