第5章 調査兵団入団式
「おはよう、アラン。」
「おはよう、ソフィア。よく眠れたか?」
「うん、お陰で体が軽いよ。」
兵舎の講堂に向かうとほとんどの新兵達が集まっていた。
今日は、新兵達の所属班が言い渡される。
そのせいか、皆んなの顔には緊張感が現れ、なかには恐怖で震えている者もいた。
「ソフィアはどこの班に所属したいんだ?」
「うーん…、別に希望はないかな。どこの班になっても人類のために戦う、ただそれだけ。」
「そうか…。ソフィアらしいな。」
「あっ、でも、アランとは一緒の班がいいな。」
「…あぁ、俺もそうなることを祈っている。誰よりも近くでお前を守りたいからな。」
「…アラン。」
「はい、ストーップ!!」
アランと話していると、アリアナが急に突っ込んでくる。
「どうしたの、アリアナ?」
「どうしたの?じゃないわよ!二人とも目を離すと、すーぐイチャつくんだから!」
「イチャついてなんかいない。至って普通だ。」
「あんた達の普通は普通じゃないの!!…もう、さっさと整列する!」
「ぅわっ。」
アリアナが強引に背中を押してくるお陰で、躓きそうになったが、なんとか堪えた。
アランを振り返ると、軽く手を振っていたので、私も振り返して列に紛れる。
「新兵達はさっさと整列しろよ!!もう少しで団長達が来るからな!」
上官が声を荒げる。
その声に触発されたように、新兵達はキビキビと整列を終え、静かにその時を待っていた。