第1章 パーフェクトゲーム
血も涙もないのはお前ほうだ。
...そして、太腿に手をついたまま振り返るから、近い。
これは言わば恋人の距離だ。
これは試してるのか?
オレの理性を。
オレの理性は意外と、もろいぞ?
「あ。見て下さい!あれ!」
がリヴァイの後ろの窓を指差した。
身を乗り出したはずみでの胸がリヴァイの顔にあたる。
「...」
-柔らかくて弾力のあるもの。
おい...なんだ、これは。
どういう...状況(ご褒美)なんだ。
「虹!綺麗ですねぇ!久しぶりに見られて嬉しいです」
虹は見られないが、充分嬉しい。
むしろこのまま見なくても全然問題はない。
「よ...兵長が困ってるだろ、さっさと離れろよ...」
「あ!ごめんなさい」
は慌ててリヴァイから身体を離して、隣に座りなおした。
「ったく...大丈夫ですか、兵長...この馬鹿にはオレからビシッと言っておきますから...」
-余計なことを言いやがって...
リヴァイはオルオを睨みつける。
「ひっ...」
「オルオ、てめぇは確か...今日発って明後日の演習に間に合うように古城の掃除を一人で...するんだよな?感心なことだ...ちりひとつ...残すんじゃねぇぞ」
「え!?ひ、一人でってあそこは結構広いじゃないですか...」
「ああ?なんだ、てめぇは...文句でもあるってのか...?」
二度とあるかわからねぇ、あんな美味しいシチュエーションを邪魔しやがって...クソが...
「兵長、えぐいです」
ぽそ、とが小声でリヴァイにしか聞こえない音量で呟く。
「でも、兵長、かわいい」
が、ふふ、と笑う。
は?待て。おまえ...
オレが喜ぶとわかった上で、柔らかなアレをしたのか?
「-ああいうのは、兵長にしかしませんけど」
お前は心の声が読めるのか?
「...お前アッカーマン家とは違う特殊な能力でもあるのか?」
「そんな能力無くても、わかります。だって、兵長、ずっと見てたでしょ?」
わたしのこと。
声に出さずに唇だけ動かして、ふふ、とは笑った。
なんだと...このオレが...
-完全敗北とは...