第1章 パーフェクトゲーム
リヴァイは周囲をちら、と見回した。
全員が黙々と本を読んでいるように見えるが、そのうち、ペトラ、エルド、グンタは、睡魔に撃沈されたようで、本を開いたまま眠っている。
エレンはなんとか睡魔と戦っているものの、寝ては起き、を繰り返しているので本の内容など頭にはまったく入っていないだろう。
睡魔に屈さずに読んでいるのは、オレと、オルオと、そして。
リヴァイは隣で本を読むを盗み見る。
真剣な顔で文章を目で追っている。
難しい顔を時折するから、どんな内容の本を読んでるのか気になり、何でも無い風を装って尋ねる。
「-お前は何を読んでるんだ」
「...」
無視。
無視されるとは考えてもいなかった。
よほど集中しているのか。
仕方ないから、本を取り上げて読む。
「...森の、話?」
「なんですか!今すっごく大事なところなのに!」
が、ぷんすか怒ってリヴァイに抗議する。
内容に目を通して、なぜだ、と思わず呟く。
「...おまえ、あまりに難しい顔して読んでるからどんな本かと思いきや...」
「森の木にだってドラマがあるんですよ!」
「...ドラマ?」
「そうです!森にも壮大なドラマがあるんです。木に纏わりつく、つる性植物のせこさと、したたかさといったら、まるで兵長...じゃない、本当すごいんですから!」
「...今、オレのこと言ったか?」
は少し視線を泳がせて、いいえ、と呟く。
思いっきり目が泳いでるじゃねぇかよ。
「それで、兵長は何読んでるんですか?」
はリヴァイの前にある本を覗き込む。
の髪が顔に触れる。
...いい香りがする。
「指輪ものが...」
呟きながら、はリヴァイの左脚に手をついた。
「たり?」
の手がさわっと左脚を触るから、リヴァイはこいつはわざとなのか?と思う。
「兵長、こういうの読むんですね!意外!」
どういうのを読むと思ってたんだ、こいつは。
「兵長のことだから、エグくて血も涙もないようなハードな内容の本かと思ってました」
「おまえの中でオレはどういうイメージなんだ...」
「そういうイメージです」