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【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います

第70章 初恋の終わり方


「このシーン、なまえならどう演じるのが良いと思う?」

百くんから演技の相談を受けたのは、ある日の午後。番組収録が終わった後のことだった。


「私ですか?」

「そうだ。なまえは、北門に良い演技指導をしたことがあると聞いたことがある」

「ああ、あれ......」

内容が内容なので思い出して顔が熱を持った。



「好きな人が、告白される様子を見て飛び出す。熱烈な演技ですね」

「そうだ。恋愛ものだからな」


私だったらどうするんだろう?
ぼんやりと浮かぶのは彼のこと。
彼を傷つけた私が、こんな気持ちを抱えているなんて許されないのに。


あの後も私達は一緒に仕事をしていて言い表すとすれば『ただの仕事仲間』

それ以上でも以下でもない。


不用意に近づけば、余計なことまで思い出させて辛くさせるだけだろう。

彼の記憶がいつ戻るかなんてーー誰にも分からなんだから。



「好きなの!」

突然聞こえた大きな声に、百くんと視線がぶつかる。



「あれは......」

百くんの視線を辿ると、


「増長さん......」

隣にいるのは、あの女性アイドル。


「こ、告白!」

「なまえ、しーっ」

慌てて後ろから口を押さえられた。


今さら告白?

病院では......了承も無くキスしてたのに?


「あれ嘘でしょ?付き合ってる人なんて居ないんだよね?」

何やら面倒なことになってそうだ。


「どうして?」

「ある人から聞いたの。前、付き合ってたんだから......私のこと好きだったんだよね?」


「元カノ!?」

「しーっ!」


あの人、元カノだったの?


「お互い大人になったんだから身体の相性確かめようよ。大切でしょ?」
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