【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第70章 初恋の終わり方
先日、ヨーコさんにお礼をしようとMimiの仕事をしようとした。
『あなた全然キラキラしてないじゃない。また、本調子になったら声をかけてちょうだい!』
結局、追い返されてしまったけど。
Mimiになる時間は私が私じゃないみたい。
色んな事情から解放されて、自由になれる。
大好きな歌を逃げ場にするのはよくない!
仕事なんだから私情なんて持ち込まずにちゃんとしないと!
そう思う......思うけど。
差し入れと、先日撮影した雑誌の見本誌。
それを持ってレッスンルームに向かっていた。
「なまえ、お疲れさま」
「愛染さん?お疲れさまです!」
愛染さんはこちらに歩いてくると、私の荷物をまじまじと見つめる。
「荷物多いね」
「これは差し入れで......」
ひょいと腕が軽くなった。
「持ちますよ、お姫様」
「ありがとうございます......姫とは恐れ多いですが......」
こういう事をさり気なくできるのも彼の魅力だよね。
愛染さんのおかげで気分も少し軽くなった気がした。
「お疲れさまです!」
「お疲れさま」
そこにはみんなの姿があるけど、増長さんの姿はないようだ。
無意識に探してる......結局どうしよう。
もう想われること自体が彼からしたら迷惑なんじゃないかな。
あれは、そう思うくらい明らかな線引きだった。
『これ以上は踏み込まないでほしい』
そんな心の声が聞こえた気がした。
「荷物ありがとうございました!」
「当然だよ。それより何か悩みごと?」
「え......?」
本当に彼は鋭い。
返答に悩んでいると北門さんがこちらにやって来た。
「なまえ、お疲れさま」
「お疲れ様です」
助かったかも。
声をかけてくれて良かった。
「せっかく来てくれたのにカズとつばさの姿が見えないね。さっきまで居たのに......ちょっと探しに行ってくるよ」
え、行っちゃう......。
気付けば北門さんの腕を掴んでいた。
「一緒に......行きます」
私が行かなくてもいいのに。
きっと愛染さんには
全て見透かされている気がしたからーー。