【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第70章 初恋の終わり方
初恋は美しいのは『当人が終わりがあると知らないから』だと聞いたことがある。
あの日増長さんは私を家まで送ってくれた。
きっと一緒に居るのも辛かったと思う。
その優しさが嬉しくて......痛かった。
「おはよう。眠れなかったの?」
「おはよう。やっぱりクマひどいよね......?」
「何か悩み事......?」
声をかけてくれたつばさちゃんはとても焦ってる。
彼女は顔にすぐ出るから......可愛い。
「大丈夫だよ。ありがとう!」
その様子を見るとなんだか少し元気をもらえた。
本当に彼の言った通りで、このまま一緒に居ても辛い思いをさせるだけかもしれない。
記憶がいつ戻るかなんて、誰にも分からないんだから。
昨日のあれは間違いなく『拒絶』だった。ぼんやりしていると人にぶつかった。
「すみません!」
尻餅をついて顔を上げた先には一番会いたくて、会いたくない人......
彼の姿があった。
「ううん、ごめんね!大丈夫?」
「はい」
その様子は拍子抜けするくらいいつも通りで、あの日のことが嘘だったかのよう。
「どこか怪我してない?立てる?」
でも......こちらに差し出そうとした手を引っ込める様子を見て、あれは現実だったって実感する。
なんか......痛いーー。
「はい、平気です!」
「寝不足だと体調崩すよ。笑ってないと幸せが逃げるかも......」
「えっ?」
「ふふっ、俺達はこれからも何も変わらないよ。ずっと俺達のA&Rとしてよろしくね!」
何より私を気遣ってくれた言葉。
「はい、こちらこそよろしくお願いします!」
その優しさは傷口を抉られたみたいに
ズキズキ痛かったーー。