【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第68章 見えないココロ
ま、増長さん!?
「盛り上がっていたみたいですけど、何か楽しいことでもあったんですか?」
彼はにっこり笑って先程の男性の方を見つめている。
慌てて立ち上がるとその男性は行ってしまった。
「ありがとうございました!」
そちらに近づいて小声で伝えたけど、カメラが回っていない気がする。
「助けないといけないと思って、咄嗟に本番のフリをしたんだ」
そうだったんだ。
増長さんの機転に助けられたな。
「ありがとうございます。この御恩は一生忘れません!それでは、失礼します......あれ?」
振り返ると、帝人さんに手を掴まれていた。
まずい......。
「トゥーンク!まさに、マミリン!!本物のマミリンのようでした!!」
「あ、ありがとうございます!!詳しくはあっちで話しませんか?あはは、あはは......」
その手を握ると慌てて歩き出したけど、向かいから歩いてくる人影。
「可愛いくてよく似合ってるよ」
北門さん......ばれてないよね?
「ミラクルリンリン、ルルリンリン♪ありがとうございます!」
魔女っ子ポーズで乗り切ろう。
「どうしたの......みょうじさん?」
「え......?」
ばれてた......!
増長さんの後ろには例の彼女。
目が合うと逸らされる......恥ずかしい!
「なまえ、もう一回見せて」
北門さんがこちらを見ているけど、そうでなくても恥を晒したのに純粋な瞳で見つめないでほしい。
「助けてくれてありがと!」
ぴょんっと竜持くんが飛びついてきて、慌ててその身体を支えた。
私もお礼を言わないといけない。
「こちらこそ、写真を断ってくれてありがとうございました」
ギューッと抱きしめられると、パッと彼の身体が離れた。
私達を引き剥がしたのは増長さんで......なんだか見られてる。
「目の色......俺と似てるね」
至近距離で微笑まれて、心臓が痛い。
確かにマミリンの目の色は彼と似ている気がするけど、これは作り物だもんね。
「増長さんの目の方が綺麗ですよ」
慣れないコンタクトも早く外したい......目をパチパチした。
「ありがとう。ところで、帝人......」
「なんですか?リーダー」