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【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第68章 見えないココロ


「あの、写真撮らせてください」

きた!!

声をかけて来た男性は、ふくよかで大人しそうな印象だ。


「ごめんなさい、急いでるので」

竜持くんが慣れた様子で断ると、続けて私も頭を下げた。


「二人とも可愛いからいいじゃん。一枚でいいから!」

「人を探しているので......」

そのままでも、竜持くんは可愛いもんね......。

でも、撮られるのは彼らの方が困る。


この間のイベントは規模の小さいものだったし、そもそもこの格好じゃ私とは分からないと思う。

まだ後をついてくる気配がする。


「こんなに頼んでるんだから、いいだろ!」

竜持くんの肩を掴むと、男性は大きな声を上げた。

なに、この人......。


「あの、何回も断ってますよね?人を探しているのでとお話しましたけど」

竜持くんがその手を掴む。

逆上するなんて、絶対に危険なタイプだ。


その様子に気付いた周りがざわつき始めた。
騒ぎが大きくなったら竜持くんに迷惑がかかる。


「すみませんが、納得していただけませんか?」

「それなら、君だけ撮らせてよ」

「私、ですか......?」

嫌だけど......竜持くんが撮られる方が困る。
その写真をどうされるかも分からないし。


場を丸く納める為には......。



「この子は絶対にダメ。他をあたってよ!」

私が引き受ける様子に気付いていたんだろう。
竜持くんはキッパリ否定してくれた。


「撮られる為に着てるんだろ?」

その男が再び肩を掴むと、その力は強いようで竜持くんの表情が歪む。


「離してください!」

私は竜持くんの身体を引き寄せた。
逆に私が腕を掴まれて、男の方に引き寄せられる。


その腕を逆に掴むと、相手のバランスを崩した。
素早く軸足を払って転ばせる。


ーードサッ


大きな音がして、男はその場に倒れた。

今のうちだ!


そのまま走り出せば、再び追いかけられる。

もう本当にしつこい。

イベントスタッフに会えれば......。

手を引かれて走っていると、突然声をかけられた。


「こんにちは、それはどんなキャラのコスプレなんですか?」

声をかけて来たのは、
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