【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第66章 届けたい、この想い
その時、会場に大きなどよめきが巻き起こった。
まばたきも忘れて......ただ、ただ、そちらを見ていたと思う。
戸惑っていると、目が合ってにっこり微笑まれた。
「今日はありがとうございます。みんな、久しぶり!」
「「リーダー!?」」
『和南くん!?』
『本物!?』
うそ......声が出てる......。
周りを見れば勿論彼らも驚いている。
でも増長さんは『体調不良で休止』ということになってるから、会場の皆に悟られたらダメだ。
「MooNsも揃ったし『夢見るPOWER』」
「皆さん盛り上がってくださいね!」
機転を利かせてくれた剛士くんに続いてステージ裏にはけた。
「おい、どういうことだよ!」
振り返った剛士くんも勿論戸惑っていた。
「し、知りませんよ!」
私も彼と同じ気持ちだ。
「みんな〜おつかれサマ ♪ 」
「夜叉丸さん!?どうなってるんですか?というか、いきなり歌なんて歌えるんですか?」
こちらに来た彼の両肩をガシッと掴んだ。
「ちゃんと確認したわよ〜!それにあの子達はプロだもの!」
「確かに、まっすーのパートを皆でフォローしてるみたいだよ!」
明謙くんの声にそちらに耳を傾ける。
「本当だ......」
「今までどれだけの場数を踏んで、ここまできてると思ってるのかしら?こんなこと彼らなら簡単にこなすわよ ♪ 」
すごい......。
この曲も彼らに初めて聞かせてもらった曲で、あのCM撮影は忘れられないものになった。
最初は彼らを非難していたスタッフも、最後には彼らのファンになっていたと思う。
MooNsは個性が光ってるのにバランスが取れていて、とっても居心地が良くて......。
「めっちゃ、かっこいい〜ですね!」
「あははっ!なまえが暉くんみたいになってる」
「ふふっ、本当に良かったですね!」
「そうだな。なまえさん良かったですね!」
「はい、ありがとうございます!」
歌い終わったMooNsの皆が舞台裏に戻って来た。
「「お帰り」」
「「お帰りなさい!」」
彼を迎える温かい空気。
「みんな、本当にありがとう」
「皆でステージに上がって挨拶......終了ですね!」
つばさちゃんの声を聞いていると、突然腕を掴まれる。