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【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います

第64章 理想と現実


「なんで?」

竜持くんが微妙な反応をするけど......ベッドに女の子が居たというか......。


「だって!キスしてましたよ!」

小声で言うと慌てて踵を返した。
完璧にお取り込み中だよね?

グイッと腕を掴まれる。

「竜持くん......」

「なに?平然と帰ろうとしてるの?」

「えっ?」

「婚約してるのにおかしいから......」

「それは一旦無くなったみたいなもので......入って行ってどうするんですか?」

流石に彼と他の人のそういうシーンを見るのは、ちょっと辛いものがある。

視線を感じて、そちらにいる北門さんを見上げた。


「うーん......どうしようか?」

「トモまで!」

竜持くんの気迫にも、余裕の笑顔の北門さん。
キタコレはこれでバランスがとれている。


「それなら、試しに入ってみる?」

「ええっ!ちょっと、北門さん!?」


ずるずると引きずられて、気付けば部屋に入っていた。


「カズとはどういう関係なんですか?」

部屋に入るなり、ストレートに聞いた!?
状況からして......恋人だよね?


彼女は髪がウェーブのかかったミディアム。
明るい髪色だ。
顔立ちは猫目で整っている。


一度目には彼女が彼を、今は彼が彼女を押し倒してるんだけど。
とにかく、早く退出した方がいいと思う!


「付き合ってるんです」

そうですよね、見れば分かります。


「頑張るって言ったんだよね?」

突然両頬に大きな手が触れて、北門さんに聞かれた。
そうだよ......でも。


「言いましたけど『幸せの邪魔をする』とは言ってませんよ?」

小声でやり取りしてるし、聞こえてないよね?


「それなら......」

綺麗な顔が近づいて、唇に柔らかなものが触れた。
驚いている間に口付けは深くなる。


「んっ、きたかど......さん......」

皆が見てるけど、掴まれた両手は力強くて振り払えない。

酸素が足りなくて、目が回りそうだ。
もう、だめ......クラクラする......。


苦しくてふらつくと、後ろから誰かに肩を引かれた。
そのまま唇が離れる。
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