【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第64章 理想と現実
鼻先に柔らかい物がかする。
綺麗なベージュ......。
「ああっ!まっすー、食べた!」
言葉通りに増長さんがそれを食べた。
助けてくれた......?
増長さんは悠太くんの方を見て、何か言ってるみたいだけど......。
「からかいすぎ......?ってからかってないよ!」
大きな声を上げた悠太くんは首を横に振っている。
その様子を見ていた増長さんが、紙にペンを走らせた。
『悠太も健十も剛士を見習いなよ』
二人が......叱られてる。
確かに、様子がおかしいような気がする。
悠太くんと愛染さんを見れば、何故か満面の笑みだし。
普通なのは剛士くんだけ。
でも、剛士くんもいつもなら悠太くんを止めてくれるのに......。
「増長、なんか勘違いしてるみてぇだけど......」
グイッと肩を抱かれると、今度は剛士くんとの距離が近づいた。
見上げればいつもと違う様子の彼。
勿論だけど驚いている。
「こいつらより俺が一番なまえと過ごす時間が長いからな」
「へっ?」
スタジオとかでの話かな?
「いつも、密室に二人きりだしね......」
「うんうん!若い男女がね!!」
悠太くんと愛染さんが、煽り出した?
えっと......剛士くんの様子もおかしいみたい。
『みんなはA&Rを何だと思ってるの?仕事仲間だよ』
増長さんは驚いた顔をしている。
私も全く同じ気持ちだ。
三人の目的は何だろう?
「違うよ」
「そうだね!違うよ〜♪」
「違うな」
その言葉に増長さんと私は顔を見合わせた。
違う......?