【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第64章 理想と現実
『みょうじさんはいつも元気だね』
増長さんがいつも通りに優しく笑ってくれる。
良いように解釈しとこうかと思い始めるけど、あのことがバレてないとかは無いよね?
だって、あの距離だよ。
普通に過ごしてて、あんなに近づくことなんて......。
「本当にどうしたの?」
愛染さんの方を見れば、その距離は鼻が触れそうだ。
「愛染さんなら、アリか......」
ぽそっと呟いた言葉は、あらぬ誤解を生んだようだ。
「アリって、恋人として?」
「えっ?」
「遂に俺の魅力に気づいちゃった?」
あっという間に両腕を掴まれて、顔を近づけられる。
少し近づけば唇が触れそうな距離。
「近いです......」
慌てて目を瞑ると後ろに身体を引かれた。
「悠太くん......?」
見上げると、彼のにっこり笑う姿が映る。
「ケンケン、ダメだよ。はい、あーん!」
そのまま、プチシューを口に近づけられた。
パクッと食べれば、悠太くんは嬉しそう。
「......おいしいです!」
「うんうん、僕も大好きなんだ!」
笑い合っていると、今度は増長さんと目が合った。
気のせいじゃなければ、見られてる......?
「まっすー、いくらなまえちゃんが可愛いくても〜そんなに見たらダメだよ?」
そう笑って悠太くんは私を抱きしめた。
『そういうのじゃないから!』
「え〜そうなの?つまんないな〜」
「もう一つ、どうぞ!」
悠太くんがプチシューをくわえて、そのまま顔を近づけられる。
これって......。
「食べてってことですか?」
「ふん、おいひぃよ!」
悠太くん......どうしたんだろう。
なんだか、いつもより過激な気がする。
剛士くんを見れば思いっきり顔を逸らしているし、愛染さんはおかしそうに笑ってる。
ガシッと両肩を掴まれると、そのまま口が近づいてーー