【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第64章 理想と現実
「どうして、そんなに挙動不審なの?」
今日はTHRIVEの皆が付き添ってくれていて病室に向かっている。
「気にしないでください!」
私は愛染さんの服の裾を掴んで後ろを歩いていた。
数日前、彼にキスしようとした!!
あんな事があった後すぐに一人で来るのは不安で、ちょうど彼らが声をかけてくれて今に至る。
彼に対する私は......下心の塊だ。
しっかり見張ってもらわないと。
「いっぱい買って来ちゃった♪」
可愛い声でにっこり笑った悠太くん。
その両手には大きな袋が提げられている。
ずっと気になってたけど、中身はなんだろう?
ーーガチャッ
ノックをすると増長さんが笑顔で出迎えてくれた。
「まっすー、コレ見て!いっぱいだよ〜♪」
目の前に差し出された大きな袋に、増長さんも驚いてるみたいだ。
その様子に全く気づかない悠太くんは、そのまま鼻歌まじりで中に入って行ってしまった。
「早く入れ」
剛士くんの言葉で気付いたけど、立ち止まったままだった。
そのまま後ろから肩を押されて部屋の中に入る。
なるべく増長さんに近づかないようにしよう!
「まっすー!あーん!!」
悠太くんがプチシューを取り出すと、辺りは甘い香りに包まれる。
美味しそうだけど、無事に増長さんの口に入るのかな?
思い出すのはバースデーパーティーの苺。
悠太くんがギリギリまでそれ増長さんに近づける。
「......と見せかけて〜♪」
やっぱり、それは悠太くんの口に入った。
でも、可愛い......。
思わず口元が緩むと、隣から顔を覗き込まれた。
「今日は俺にベッタリだけど、遂に好きになっちゃった?」
愛染さんのほうを見れば、面白がる表情。
「からかわれてる......?」
「なまえは、可愛いから」
「はぁ......こいつのことだから、またくだらねぇこと考えてんだろ」
「可愛いくはないですけど......私のイメージ......」
「脳内お花畑だろ」
脳内......お花畑?
「怖い!!何それ?ねぇ、剛士くん!何それ?」
「騒ぐな。ベタベタすんじゃねぇ」
腕を掴んだだけでこの酷い言われようだけど、冷たくない?