【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第63章 まっすぐな恋心
「落ち着けるか!俺はこの子の父親......」
え......。
「ええっ!お父さまですか!?」
「そうだよ!」
まさか、こんな形で会うことになるなんて。
見た目は背が高くてがっしりした感じ。
短髪が似合うし、男らしい。
似ているパーツは所々ありそうだし、かっこいいお父さんだ。
でも、増長さんの大半はお母さん似なのかな?
そちらを見ると、どうやらため息をついてる。
「みょうじさんを探してるんだけど、どんな子かな?」
私のことを知ってる。
『みょうじさんは......この子だよ』
彼の文字と私を見比べる、お父さん。
「あの、ご挨拶が遅れて失礼しました!初めまして。みょうじ なまえです!」
お父さんをまっすぐ見つめてそう言った。
なんだか、物凄く見られているような気がする。
警戒されてるのかな?
「彼らのA&Rをさせていただいてます。ひゃっ!」
これは......どういう、状況?
何故かお父さんに抱きしめられて、どうしていいか分からずにフリーズしていると思う。
突然、どうしたんだろう。
反対方向から腕を引かれると、今度は増長さんの腕に収まった。
彼の香りと彼の体温に、心臓が暴れてうるさい。
懐かしい感じがしてずっとこうしていたいのに、このままだったら心臓が壊れる!
......顔が熱い。
『父さんさ......追い出されたいの?』
見上げた笑顔は綺麗だけど、様子がおかしいような......。
「......良かったな!」
私の名前を知っていたってことは、彼から聞いてたのかな?
だとしたら、
「少し、お話を聞いていただけませんか?」
慌ててその場をあとにした。