【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第63章 まっすぐな恋心
「でも、頑張るってどうするんだよ?」
真司の声で現実に戻される。
確かに......そうだよね。
「声を取り戻すことが最優先だからね!それを実現する過程で、会いに行って、まずは一年かけて私のことを知ってもらって......」
「うん」
「それで、仕事仲間としての信頼を二年で確立して......」
「うん」
「それから、意識してもらえるように一年......アプローチをして」
「うん」
「それで、連絡したりデートに誘ったり......好意があるのを一年見せて......」
「うん」
「記憶がない前提の話だから、そこから付き合えても一年じゃ短いから、最低でも二年は付き合って......プロポーズする!」
「ちょっと......」
「どうしたの詩織?」
「ピカピカの一年生が中学校に慣れて、制服を着崩す程......年数が経ってるんだけど!?」
えっと、いち、に、さん......。
「うん、7年後にプロポーズだから......8年後には結婚できるね!」
三人は大きなため息をついた。
どうしたんだろう?
「確かに......知ってる。あんたは片想いも引くくらい長いって!」
「え......?」
「よく考えてみて!増長さんとは、どれくらいで婚約した?」
「えっと......出会ってからでも約二年?」