【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第59章 それは突然に
「みょうじさんの家、久しぶりだね......」
「本当ですよね。近くて良かった」
あの日から帰って来てなかった。
セキュリティの高さからしても、増長さんのマンションの方が安全だからだ。
「シャワー先に浴びてください。風邪引いちゃいますから」
濡れた服を脱ぐと足を踏み入れた。
「みょうじさんの方が風邪引くよ。この間もくしゃみしてたし」
「それなら、すぐにお風呂沸かすので......少し待てますか?」
彼に風邪を引かせるわけにはいかない。
「うん、ありがとう」
ひとまずは軽く暖房をかけたけど、早くお湯がはれたらいいな。
ソファーの上で並んで毛布にくるまっていると、横から腕を引かれた。
「もっと、こっちに来て」
「きゃっ!」
そのまま胡座の上に乗せられる。
私達は下着姿だ。
「冷えてる......温めてあげる」
小さな音がして、胸の締め付けがなくなった。
「ま、ますながさん!」
そのまま、下も脱がされる。
「あの時、こうやって助けてくれたけど......同じだよ。俺だってみょうじさんが助けてくれなかったら、今ここにいない」
向かい合わせで両頬を包まれて、ドキドキする。
そっか、そうだよね。
「ありがとうございます。生きててくれて......それなら、産まれてきてくれたことにも感謝しないと」
「ふふっ、そうだね。俺もみょうじさんのご両親に感謝しないと」
微笑まれて、強く抱きしめられた。
身体がすっぽりその腕に収まる。
「プレゼントを贈った側なのに、それ以上の物が返ってくるんだから」
「え?」
「『こんなに好きなのは、後にも先にも増長さんだけ』って」
「だって、本心ですから......」
「ありがとう、俺も同じだよ。みょうじさんだけ愛しくて、みょうじさんだけが欲しい」
「ふふっ、私も増長さんだけが愛しいです」
その微笑みにつられて口元が緩む。
「あのね、中々言い出せなかったんだけど......俺の家族にも会ってくれる?」
驚いて、フリーズしていたと思う。
彼に対して家族の話はしてはいけないって、ずっと思ってきたから。
「はい、喜んで......すごく嬉しいです!」
「良かった......固まっちゃうから、ダメなのかと思った」