【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第59章 それは突然に
「あの日、その人に話を聞いたら......」
「確か、僕と背は変わりませんでしたね。気になって見たんですけど、靴は低かったので背が高い女性でした。髪は短かったと思います。瓶が割れた後『あの女性にかかりましたよ!』って声をかけられて、慌ててそちらに向かったんです」
「これで、終わりますね」
本当に良かった......思わず口元が緩んだ。
「『良くやったわ』と言いたいところなんだけど」
出されたのは、先程のリストだった。
「女性は三人。髪が短いとなるとこの二人......でも背は普通ね。アナタと変わらないくらいかしら?」
「その身長で、背が高いはないですよね?」
「そうね。もう一人の髪の長いこの人でも、背はつばさちゃんと同じくらいだわ。そのスタッフさんの身長は?」
「確か......170cmはありそうだけど、176cmまではないくらい?」
「誰の身長よ......ソレ」
「え!」
「良い人を見つけたわね。まあ、彼らの中なら誰でも優良物件よ!アタシの育てた子達なんだから」
「私が選ぶ側じゃないですから!」
「ふふっ、付き合うことはアナタが帰って来る前から聞いてたのよ」
そっか、そうだったんだ。
「ええっ!帰って来る前?後じゃなくて?」
「まあ......聞いてなくても分かるわね。彼は隠す気ないし。迎えに行く前から、恋人として帰る気満々だったんでしょ」
「そ、そうだったんですね。まあ、彼に私如きが落とせないわけないから......」
世界で一番ラッキーだよね?
宝くじの一等よりすごい!
一生分の運を
使い果たしちゃった......。
「誰にも取られたくないから、アナタのことには自信があるように見せてるだけ。実際は『実現するまで諦めない』って言う方が正しいと思うわよ」
本当に彼は、努力家で真っ直ぐだから。
今までもたくさん頑張ってくれた。
あの時追いかけてきてくれなかったら?
あの日プロポーズをしてくれなかったら?
きっと今......一緒にはいない。
「婚約した後に社長達やアタシに伝えてくれたわよね?」
「はい」
ちゃんと認めてもらったよね。
皆が二つ返事で頷いてくれて、驚いたことを覚えている。