【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第58章 未来を見据えて
私は彼の両頬に手を添えると、
パチンッと叩いた。
「許されませんよ!」
その言動に驚かれているようだけど。
「そうですね。例えば私が今死にます」
私は人差し指を立てて言う。
「うん......簡単に言わないでほしいけど、うん」
「理由は何でもいいです。不慮の事故でも交通事故でも!」
戸惑うその手をぎゅっと握った。
私を大切にしてくれるように自分のことも大切にしてほしい。
彼は自分のことに関心がないから。
「それでも増長さんは生きないといけません。他の人と結婚してください!」
「え......」
「身体がないなら側に居ても見えないし触れない。寂しい時に抱きしめてあげることもできません!だから他の人と幸せになってください。それが私の一番の願いです!」
「でも......」
その顔は何か言いたげだ。
「もし仮に命はあるけど添い遂げられない。それでも増長さんは自分の幸せを優先して生きてください!決して私を優先しないでください......約束してくれますか?」
すごく嫌そう。
その表情を見れば分かるけどやっぱり彼の幸せが第一優先だから。
このままだと......この先ずっと私を優先してくれそうだし。
「約束しなかったら?」
「結婚しませんし、婚約破棄?」
大きなため息が聞こえて
「分かったよ......約束する」
本当に渋々。
絶対に納得してないよね?
まあ、そのうち納得させれば良いよね。
「でも本当は私の方が長生きしたいです」
「え?」
「自論では女性の方が長生きなのは最期の恩返しです。養ってくれた男性を看取る為だと思ってます。残される方が寂しいですから私の方が長生きしたいです」
なんだか物凄く見つめられているような気がする。
そのまま綺麗に微笑んだ彼。
「好きだよ、大好き、愛してる......」
「殺し文句の羅列ですね?」
「ふふっ、この雰囲気でそういう返し方するのはみょうじさんくらいだよ。俺のは本心。みょうじさんのはどうか知らないけど」
「前から思ってたんですけど私に対しての信用がなさすぎませんか?」
「そうかな?そんなことないよ」
掴んでいた両手を引き寄せられるとその腕に収まる。