第57章 Heart melter

「あっ、大きくなってます」

「うん......甘やかして？」


さっきまで可愛いかったのに今は色っぽさの方が際立ってる。

きっと私には出来ない魅惑的な表情だ。

言われるがままにそこに触れると、そのまま手を上下させた。


「痛かったら言ってくださいね？」

力加減とか大丈夫かな？

いつもそういうことが気になって、いまいち集中できない。
普段から彼が触ってくれることの方が多いし......。


「好きにしていいよ。みょうじさんがしてくれることなら、全部気持ち良いから」

その言葉にほっとした。


「えっと......一生懸命！頑張ります？」

「ふふっ、お願いします」

手でそっと触れると反応するそれに、何とも言えない気持ちになる。


「どうしよう......可愛い......」

思わず声に出てて、慌てて口を押さえた。


「ふふっ、なにそれ？」

頬を手で包まれて優しく笑われる。


「だって、ピクッて動くから......」

「本当に恥ずかしがり屋さんなのに大胆なところがあるよね」

「えっ？」

そこに口付ければグイッと肩を掴まれた。


「その......口でしなくてもいいよ」

「どうしてですか？」

「なんか好きな人にそういうことさせるのって......罪悪感がすごいから」

「え？でも逆はしてくれますよね......」

「それは俺が触れたいから全然いいんだけど......」

「私だって全然いいですよ。増長さんの全部に触れたい......嫌ですか？」


「嫌じゃないよ。むしろ嬉しいけど......」


その言葉に愛しくなる。

本当にこの人は......。


「やっぱり欲がないというか......何に置いても自分より私が優先なんですね？」

「もちろんみょうじさんのことはすごく大切だよ。誰よりも大切......」

「私だって......増長さんのことが大切ですよ」