• テキストサイズ

【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第56章 僅かな確証


「つまり、犯人の狙いは私かもしれないということですよね?変な人じゃなくてよかった!」

二人はきょとんとしている。


「好きなアイドルと婚約者どっちを狙うかで、普通なら婚約者を消したいですよね?彼を傷つけることで、私を精神的に追い詰めるサイコパスみたいな人じゃなくて本当に良かったです!」

そもそも、彼のファンにそんな危険人物がいると思いたくない。


「よく知らないけど......結局はかまってほしくてしてるんでしょ?なまえに危害を加えられたら、カズは自分のこと以上に黙ってないはずだし。許せないけどやり方としては賢いんじゃない?」

「まだ、分からないことだらけですが......このことは増長さんには内緒でお願いします。標的は私かもしれないって」

二人の方を見れば、北門さんの手が頬に触れた。


「分かったよ。でも、危ないことはしないようにね。それはカズの願いであって、俺達の願いでもあるから」

「はい!でも、秘策がありまして......」

その手に自分の手を重ねると、彼を見上げる。


「はぁ......トモの話聞いてた?」

「えっ?」

「ははっ!なまえは、いつでもなまえだね」

「はい?」


その後の雑誌の取材はスムーズに終わった。

さすが、息の合った二人だ。


「僕はこれから別の仕事」

竜持くんはこの後CMの打ち合わせが入っている。


「つばさちゃんとですよね?」

「そう、つばさが来たから行ってくるね」

「はい、頑張ってくださいね!」

こちらに近づいて来る彼に、こつんと額を合わせられた。
距離も近いし、甘い香りに包まれてドキドキする......。


「これで、もっと良い仕事ができるかなって......思って」

「お役に立てれば良いですけど......」

「当たりまえ。役に立つに決まってるでしょ」

額に柔らかいものが触れた。


「竜持くん!?」

「本当の恋人が僕だったらいいのにね」

見上げた彼は悪戯っぽく微笑む。


「ははっ、竜持は本当になまえが好きだね」

「トモもでしょ?また後でね」

彼は軽く手を振って、行ってしまった。


自分にも危険が及ぶかもしれない。
それでも動じなくて......本当に強いんだ。


私も見習わないといけない。
もっと、しっかりしないと......。
/ 1163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp