【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第55章 To cherish
ついた先は近くの会議室。
運良く今は使われていない。
「隠しててごめんなさい。実は......」
私の指の怪我は、封筒に仕込まれたカッターの刃によるものだった。
内容は脅迫文で、彼を殺して自分も死ぬというもの。
ある日を境に時々届いている。
悪戯だとしても気持ち悪いし、何より明らかにおかしい点があった。
「はぁ......俺達全員の問題だろ?他の奴らにも伝えるからな」
剛士くんが慌てて部屋を出て行ってしまった。
結局、みんなも巻き込んでしまったよね?
「私も金城さんと行きます!」
「ごめんなさい。私達も戻りましょう......」
つばさちゃんに続いて歩き出すと腕を掴まれて、悲しそうな顔をした彼と目が合う。
「どうして一人で無茶しようとするの?つまり、この指は俺のせいで怪我したんだよね?」
「違います。これは私の不注意で......」
言い終わる前に彼の腕の中にいて、そのまま強く抱きしめられた。
「謝るのは俺の方だよ......巻き込んでごめん」
本当にこれで良かったのかな?見上げた顔は悲しそうで、こんな顔が見たかったわけじゃないのに......。
『どちらが正解だったか』なんて、そんなこと分からないけど。
「増長さんには手出しさせません!」
はったりでも壮語でも......何でも良い。
彼が少しでも安心するなら、それで良いと思った。
「前に言ってくれましたよね?増長さんの命は私のもの......誰にもあげません」
胸に手を置くと、努めて明るく言ったと思う。
「みょうじさん......」
「傷つけたくなかったのが理由ですけど、内緒にしてて本当にごめんなさい!ずっと一緒に居ましょうね?約束です......」
それを実現させる為に、
今は沢山考えないといけないんだーー。