【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第55章 To cherish
「ちょっと、待ったーー!」
私の大きな声に驚いて、剛士くんの手が離れる。
「おい!」
気付けば飛び出していた。
「みょうじさん?」
「なまえちゃん!」
「とりあえずは、一時休戦にしましょう!」
こんな目立つ場所で話すのは良くない。
慌ててそちらに近づくと、
「きゃっ!」
ひょいと抱き上げられた。
「ダメだよ!事は一刻を争うんだ」
「えっ?」
「軽くなった......体重落ちたよね?」
目が合うと、そのままギュッと抱きしめられる。
「俺はみょうじさんに関わることなら何でも知りたい。昨日は仕方なく納得したフリをしたけど、今日は教えてくれるまで絶対に離さない!」
穏やかにだけど......怒ってる?
「場を収めようとしたんですけど、むしろ悪化しました......?」
「そうだね。混乱してるところ悪いけど、教えてくれないなら今すぐ連れて帰るから」
むくれる彼に額をくっつけられる。
彼はいつも、私のことを大切に思ってくれてる。
「もう諦めてよ。もっと、頼ってほしいんだ......」
隠し通すのは......もう無理そうだ。
「場所を移動しましょうか......」