【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第55章 To cherish
「おいで、帰ろう」
あの後は、なぜかMooNsのみんなと食卓を囲んでいた。
いや、家に一回帰ったから身の回りの物には困らないんだけど......。
「ついにばれたのか?」
「は、はい!」
突然声をかけられて、ワンテンポ遅れて返事をしたと思う。
「やっぱり、龍広は知ってたんだ」
「話していたので......」
身近で一人、彼を見守る存在が欲しかった。
同じグループの龍さんなら適任だ。
あの時彼がすぐ戻って来てくれたのは、全てを知っていたからだった。
「なんのことですか?」
「なにかあったのか?」
「なに、なにー?」
本人にばれてしまった以上は、剛士くんが言った通り皆に知ってもらった方がいいと思う。
「なんか......俺を殺して自分も死ぬって」
彼がぽつりと呟いた言葉に訪れた静けさ。
それは、驚くよね。
箸を置こうとした瞬間、
「早まったらダメだよ!!」
ドンッと飛びつかれた。
「きゃっ!」
あまりの勢いに、支えきれずに後ろに倒れる。
見上げた顔は今にも泣き出しそうだ。
「なまえチャンをそこまで追い詰めるなんて、リーダーは何したの!?誰よりも大切にするってみんなに約束したじゃん!!」
えっ......?
「なまえの中にそんなに激しい感情があったなんて......正直驚いたが、解決するべきだ」
「どんなことをしたらそうなるんですか?天使のようななまえさんが......一体どうなってるんですか!」
もしかしなくても、私が危険人物になってる。
「ちょっと、待って「暉、退いてあげて」
「はぁ......お前ら勘違いしてるぞ。リーダーに脅迫状が届いたんだよ。だから、心配でなまえを連れて来たんだ」
「「ええっ!?」」
「悪戯ならいいけどな......封筒についたカッターの刃で、なまえは指を怪我させられてる」
「傷は、大丈夫なのか?」
「ありがとうございます。治りかけなので平気です!」
「そうか、よかった......」
「ごめんなさい......全員が怪我のないようにお願いします」
「みんな、本当にごめんね」
気持ちは焦るばかりで、
その日も夜が更けていったーー。