【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第55章 To cherish
「早く教えて」
「それより、降ろしてください......」
部屋につくなり攻防戦が繰り広げられていて、私は彼の膝に乗せられていた。
「ちょうど誰も居ないし、教えないなら襲っていいの?」
「襲われるようなことはしてません!」
「本当に強情......いや、そんなところも好きなんだけど。でも、この傷の原因はなに?」
言いながら、手を握られる。
「おかしいよね?」
「なにがですか......?」
「箱の中身......取り乱しすぎだよ。人前で抱きつくなんて、普通ならしない。みょうじさんは、俺たちのことを公にするのに乗り気じゃないから」
本当に鋭いし、その上彼は私の心を読むのが得意だ。
「ただ、好きだから......触れたくなったんです」
気づけばその頬に手を添えていた。
愛しい体温に触れれば、気持ちばかりが焦る。
「はぁ......さすがだね」
「えっ、さす.....んっ!」
開きかけた唇はすぐに塞がれた。
「ほら、遠慮なく触って。どこから触ってくれるの?」
「簡単に服を脱がないでください......」
シャツのボタンを外したとこから、胸板や腹筋が覗いている。
本当に大胆すぎる。
「もっと、自分を大切にしましょうね」
半ば強引にボタンを留めているとその手を握られた。
「それは、こっちの台詞だよ。ねぇ、好きだよ......一人で悩むなら一緒に悩ませてほしいんだ。悩み事も、悲しいことも、辛いことでも、全部二人で分け合っていきたい。俺の方が多く持ってあげるから......ね?」
その綺麗な瞳で見つめられると、全て見透かされているんじゃないかと思う。
「私も好きです。でも、何もないですよ」
一緒に居られる未来を守りたい。
数ヶ月前までは自分から手を離せる距離が良くて、今はずっと一緒に居たいと思う。
きっとこの先、もっともっと彼を好きになる。
一番大切なこの人を守りたい。
「教えてくれないなら、先に食べてもいい?」
「えっ、だめです!」
頑なに答えない私に彼が詰め寄ってくる。
「何もないんです!」
「ふふっ、いただきます」
不安や心配、全てを独占するようなキス。
その熱に浮かされて、
ただ、ただ、囚われていったーー。