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【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第55章 To cherish


あっ......身体が勝手に。


気付けば抱きしめていて、その行動に彼も驚いていると思う。

それを裏付けるかのように、彼の身体は全く動かない。


「コラッ!なまえちゃん、人前よ?」

すぐに側にいた夜叉丸さんに注意された。

本当に......何してるだろう。

慌てて身体を離すと、頭を下げる。


「すみません!」

頭を優しく撫でてくれる彼の手が温かくて、ダメだ......ちゃんとしないと。


しっかりしないと......。


「和南、悪いけど......この子を連れて帰ってちょうだい」

「でも、私......半休とかじゃないです」

「いいから、お願い。ね?」

夜叉丸さんは全てお見通しなのかな?


「わかりました」

その様子に彼は二つ返事で頷いた。



「手紙の仕分け、まだ残ってたのにね」

「はい、やっぱり私の仕事です。増長さんを送ったら会社に戻りますね」

バッグから携帯電話を取り出した。


「龍さん、お疲れさまです!帰って来てもらえませんか?そうです......はい、ありがとうございます」


手短に要件を話すと電話を切った。

とりあえずは一安心かな......。


「龍広、帰ってくるの?」

「はい。少し時間がかかるそうですけど、龍さんが帰ったら私は会社に戻りますね」


大丈夫。

何とかなるよ......何とかしないといけない。


「それなら久しぶりにみょうじさんの家に行こうよ」

「だめです」


その提案は受け入れるわけにはいかない。
これも彼の為だ。


「どうして?」

「とにかく増長さんのマンションに帰りましょう。ね?」

「わかったよ......」


彼は納得したふりをしてくれた。
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