【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第52章 My one & only Love
突然、後ろから肩を掴まれる。
「一緒に......連れて行ってくれませんか?」
えっ......?
「なんだよ。男連れかよ」
男は慌てて行ってしまった。
身体を反転させられて、悲しそうに歪んでいる顔と目が合う。
自分では分からないけどひどい顔をしているんだろう。
「怖かったね......遅くなって本当にごめんね!」
一番見たかった顔に安心したら......涙が流れた。
「え、何かされた!?」
「うっ......ひっ......」
振り絞った声は嗚咽になって、慌てて首を振る。
「よかった......泣かないで?もう大丈夫だよ」
なんで......?
いつも必ず助けに来てくれる。
触れたくて、彼に近づきたくて、迷わずその胸に飛び込んだ。
気持ちが溢れて胸が苦しい。
「ちょっと、待って......抱きつかない方がいいかも。汗すごいから......」
慌てて身体を離そうとする彼に逆らうように強く抱きついた。
必死に探してくれたって......そんなこと痛いぐらいに分かる。
「......き」
「うん、なに?」
その体温。
頭を撫でてくれる優しい手。
「汗もすき......全部好き!」
「ふふっ、ありがとう!俺も大好きだよ。本当に無事で良かった......」
分かってる。
彼の中では、何より私のことが優先で、いつでも計り知れない愛情をくれる。
本当に謝るべきなのは私の方なのに、責めたりしない。
応えるようにぎゅっと抱きしめ返してくれた力は強くて、まるで私を守るみたいだった。