【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第52章 My one & only Love
明日から顔合わせ辛い......。
でも、仕事は仕事だから割り切らないと。
大丈夫だよ......ちゃんと出来る。
『住む世界が違う』とか、周りに言われる前に私が一番境界線を引いてる。
これじゃだめだよね?
婚約者としてどうあるのが正しいんだろう?
将来を真剣に考えれば考えるほど、自信がなくなっていく......。
あてもなく街を彷徨えば辺りはすっかり暗くなっていた。
そろそろ帰ろう。
彼も......もう帰ったよね?
自宅方向に向けて歩き出すと、突然腕を掴まれた。
「こんな夜中にどうしたの?」
話しかけて来た人は、40代くらいの男性?
どうやら酔っ払っているようだ。
「今から帰ろうと思っていて......」
「え、どこか行こうよ?」
痛っ!
腕を思いきり握られれば、力が強い。
きっと、酔っ払ってて力加減が出来てない。
だめだ......頭によぎる光景。
最悪な結末を想像すると震えが止まらなくなる。
「離してください!!」
辺りを見渡しても、人影はない。
当たり前だ......大通りからは少し入った道。
自業自得だよ......あんなに思ってくれる人を、傷つけたから。
彼が良いって、その顔が浮かぶ。
大好きなのに......また傷つけてしまった。
自信を持てないことは、選んでくれた彼を侮辱する事だ。
同じだよね......私だって「彼にはもっと自信を持ってほしい。」って思ってる。
なんとか無事に帰ろう。
私に何かあれば、彼は自分を責めるだろう。
後ずさりすれば抱きつかれそうになる。
「本当に......やめてください!」
咄嗟に腕を伸ばして相手との距離を取った。
「いいから。一緒に楽しいところ行こうよ」
気持ち悪いし、触らないでほしい。
でも彼は違う......早く帰って謝りたい。気持ちだけが焦って、熱いものが込み上げると視界がぼやけた。