【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第51章 真夜中の贈りもの
「クリスマスに良い思い出がないって知ってたからです。時期はズレてしまったけど......増長さんの、サンタさんになりたかったんです!」
えっ......覚えててくれたんだ。
「もし、クリスマスに想いが通じ合っていたら......と悔やまれて。本当なら颯爽と立ち去るつもりだったのに、失敗しちゃいました......」
体育座りで、膝に顔を埋めた彼女。
その落ち込みようは尋常じゃない......。
きっと、数日で考えたことじゃないんだろう。
「失敗じゃないよ」
「えっ?」
見上げてくる彼女を、ギュッと抱きしめた。
「ありがとう、すごく嬉しい!やっぱりみょうじさんは俺を笑わせる天才だと、再確認できたよ。いつも、沢山笑わせてくれて、ありがとう!」
あれ?
なにやら、ぽかんとしてるな......。
「あの......盛り上がってるところ申し訳ないんですけど、真剣ですからね!笑わせる気とかサラサラない、真剣なサプライズでしたから!お涙を頂く企画でしたから!」
本当に......?
笑うよ、あんなの。
「そうなの......でも、俺が幸せなら成功だよね?」
ひょいと抱き上げて、膝に乗せると抱きしめた。
「えっ!?はい......そうなんですかね?」
なんか、唸ってる。
それなら、希望通りに満足させてもらおうかな。
「俺が喜ぶプレゼントはみょうじさんが一番知ってるよね?みょうじさんに触れてる時、俺は一番輝くんだよ?」
「えっ、えっ!」
焦る声色に口元が緩む。
ふふっ、本当に可愛い。
「俺自身をお返しさせて?」
耳元に顔を近づけて囁いた。
「いや......全国のファンに恨まれますから、そういうのはちょっと......」
「ふふっ、大丈夫だよ?いずれは、その人達も認めてくれるからね。俺たちは結婚するんだから」
「ふわぁ......また今度、お願いしましゅ......」
「寝たの?」
聞こえてくるのは、規則正しい寝息。
「この状況で眠れるなんて本当にすごいな。でも、我慢も愛情だから」
優しく身体を寝かせると、その寝顔に見惚れる。
「何回見ても、可愛い」
帽子を脱がせると前髪が上がっておでこが見えて、誘われるようにそこに口付けた。
「おやすみ。いい夢見てね」