【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第6章 大胆不敵なSweet Girl
その後は、皆で是国さんに会いに行った。
「お姉さん、誰?」
当然だけど、みんなの事を覚えていないようだった。
「こっち来て」
近づくと、抱きしめられる。
「お姉さんすごくいい匂いがする。安心するし、好きだなぁ。怪我してるの?」
包帯に触れる、優しい手。
彼の記憶が、このまま戻らなかったら......。
「ごめんね......守ってあげられなかった!」
色んな感情がごちゃ混ぜになって、その身体を抱きしめ返した。
「これ、あげる。優しくしてくれたから」
そう言って差し出してくれたのは、チョッパチャロス。
記憶障害を起こしていても、好きなものは変わってないんだ。
今は、それがすごく嬉しかった。
「おやすみなさい。良い夢見てくださいね」
「うん。お姉さん、おやすみ」
記憶障害......それは、どれくらいで治るという目安がない。
早く治りますように......。
その夜は、祈るように眠りについた。