【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第48章 素直な気持ち
別れてなかった......?
「別れてあげる。」って言われて、私が決めて良かった。
別れるって言おうとして......キスされて......。
私、言ったっけ?
「あの、その話ですけど......。」
切り出すと、すごい速さで廊下の端に連れて行かれる。
どうやら、私は壁ドンされる星の元に産まれたらしい。
「まさかとは思うけど皆の前で俺を拒絶するなんて......みょうじさんはしないよね?」
「えっ?」
「『別れる。』って皆の前で言わないよね?」
「は、はい......。それなら、今日の夜にでも?」
「家まで送るの、楽しみにしてくれてるの?」
あれ?
「そ、そうじゃなくて......夜叉丸さんから禁止令が出ているそうですね。増長さんも同意したとか。」
「そうだね。皆には秘密だけど」
「怒られませんか?」
「その時は、また庇ってくれる?」
「え?」
「俺はみょうじさんのことになら、狡くもなるよ。誰にも取られたくないから。」
なら、どうして......?
「それなら、なんで『別れてあげる。』って言ったんですか?確認もしてくれなかった。あの後、皆の前で泣きじゃくりました」
「え?」
でも、そうか......。
私が逆の立場でも、同じことをするか。
だって、いつでも手を放せる距離感で付き合ってるんだから。
「私に、責める資格はないですね。きっと、私も同じことしますから......もう終わったことですしね。」
顔を逸らすと急いでそこから抜け出す。
「待って!」
「離してください!」
掴まれた腕が痛い。
本当は、心が痛いのかな?
「それなら、どうして悲しそうな顔をしてるの?」
「えっ?」
私はそんなに酷い顔をしてたのか......。
「分からないんだ。俺が嫌いなら、頑張ることは迷惑だよね?それなら辞めないといけない。でも毎日送らせてくれるし、一緒に居ると楽しそうにしてくれるから。」
なんか、どうでも良くなってきた。
もう終わったことだ。
元の原因は私の付き合い方のせいだよ。
でも、今......何を守ろうとして、何のために我慢してるんだろう?
こんなの、馬鹿みたいじゃんか。