【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第48章 素直な気持ち
「......さい。」
「えっ?」
「もう、うるさい!うるさい!うるさーい!!」
目が合った彼は、驚いた表情を浮かべている。
「全部言わなきゃ分かんないの!?」
掴まれた腕を振りほどくと、逆にその肩を掴んだ。
「自分の気持ちが迷惑かけるなら、我慢するしかないじゃん!言わない方が良い!それを周りから望まれてるの!!」
もう、止まらなかった。
「私が嫌って言ったら、自分を犠牲にしてでもどうにかしてくれようとするくせに......気持ちを沢山もらって、すごく大切にしてくれてたのにワガママなんて言えない!アイドルは絶対に捨てたらだめだから!!許さないから!!
大体増長さんの気持ちは尊重するって言った。今更、私の気持ちなんて知ってどうするの?もう私たちは別れてるから!ただの仕事仲間だから!!
仕事以外で私に......金輪際!構わないで!!」
勢いだけで言い切ると、そのまま走り去った。
本当に残念。
残念なんだけど、私は口がとても悪い。
そんな自分が悲しい。
つばさちゃんくらい可愛いければ......。
「ありがとう。今日はここまででいいよ。」
「紺野さん......。」
「たまには、早く帰っていいよ?」
半ば強引に追い出されてしまった。
やっぱり、戦力外だったのかな?
あの日から、彼に会うことは無かった。
いや、当たり前だよね......。
皆の前で「別れる。」って言われるのを嫌がってた人に、それ以上のものをプレゼントするんだから。
本当に、迷惑なプレゼントだよ。
普通に引く、激しく引く!
皆さんにも引かれてるよね?
あっという間にライブは明日で、どんな顔して会えばいいの?
その夜は、悶々として全く眠れなかった......。