• テキストサイズ

【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......

第48章 素直な気持ち


「ごめん、俺の代わりに誰か運転して帰って!」

えっ......?


「どういうことですか?」

慌てていると、ひょいっと抱き上げられる。


向かうのはそこから見えるタクシー乗り場。


「ま、増長さん!?」

そのままタクシーに乗せられる。


これは......どういう状況......?


でも、それよりも


「気持ち悪い......」

先程よりもお酒が回ってきた気がする。


「ちょっと良い?」

窓を開けてくれた彼は、自分の膝に私の頭を乗せてくれた。


「横向きが楽だよ」

言われた通りの体制になると、本当だ......楽かも。
大きな手が背中をさすってくれる。


「ありがとうございます......」

「酔いが覚めたら寒くなるから」

そう言うと自分の上着をかけてくれた。本当に愛染さんが言った通りだよね。彼は下心なく優しい。


マンションに着いてタクシーを降りる。

「本当に今日は助かりました。ありがとうございました」

お金を渡して降りようとすれば彼にそのまま返された。


「え?」

「ここで降ります」

一緒に......降りてくれた?
気づけば二人でタクシーから降りている。


「部屋まで送らないと一緒に来た意味がないよ」

そっか......部屋に送るまでが介抱なんだ。
次の瞬間身体が宙に浮いて抱き上げられたのだとわかる。


「あ、歩けますから......」

「こんな時くらい、甘えてほしいな」

断るべきなのに......その申し出を断れなかったーー。


見上げた顔が切なそうだったから?

いや、自意識過剰だよね?
仕事以外で必要以上に関わることは彼の為にならない。


部屋に入るとベッドに下ろされて、途中で買った飲料水を手渡してくれる。


「ありがとうございます」

身体を起こして受け取ろうとするけど、放してくれない?


「自分で飲めないよね?」

「飲めま......んっ!」

それを口に含んだ彼に口付けられて、水が口の中に流れ込む。


なんで......?

あの日から全く触れてこなかったのに。
/ 1163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp