【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第48章 素直な気持ち
「「お疲れさまでーす!」」
飲み会は仕事後すぐに始まった。
隣にはつばさちゃんが居るから、心強い。
他の女性のスタッフさん達は何やら遅れているそうだ。
「二人は何飲む?」
声をかけてくれた真面目そうな男性、木之下さんは20代後半の男性だ。年齢以上にしっかりしている雰囲気がある。
幹事は彼だった。
「お酒なにが好き?」
同じ年齢の森野さんこちらの人も眼鏡をかけていて真面目そうな男性。今日の会で木之下さんの補佐をしてくれたそうだ。
一杯目はお酒を飲まないと空気を乱す気がするよね。
「じゃあ、カシスオレンジでお願いします。」
お酒が苦手な人の王道!
つばさちゃんも同じものを頼んだ。
あれ、おかしいな?
出されるのは、お酒のメニューばかりでソフトドリンクが見当たらない。
私たち、大丈夫かな?
隣を見れば、つばさちゃんの顔が赤い。
私もそうかもしれないけど、とにかく彼女の側を離れないようにしないと。
つばさちゃんもお酒は飲まないそうだから、酔ったらどうなるか分からない。
「ちょっと、私たちお手洗いに行ってきますね。」
つばさちゃんの手を引いて席を後にした。
「大丈夫?」
「うん......。」
隣の彼女はふわふわしている。
頭が重たいけど......彼女をちゃんと連れて帰らないと。
少し時間を潰してから席に戻った。
「二人とも遅かったね。」
「すみません。ちょっとメイク直しを......。」
適当に言い訳をして着席する。
遅れている女性達の姿はまだ見えない。
今は女性は私たち二人だけで、他は男性ばかり。
何かがおかしい......。
「遅れて来る方達は、もうそろそろ来れそうですか?」
向かいの木之下さんに確認する。
「なんか、急なトラブルがあったみたいで......来れなくなりそうなんだ。」
なんだか、危ない気がしてきた。
情けないことに今は『つばさちゃんを介抱すること』で頭がいっぱいだ。
「つばさちゃん、もう飲まないで?」
小声で彼女に言ってから、私は自分のお酒をちょっとずつ飲むことにした。二人とも手を止めたら怪しまれる。