【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第46章 心地いい時間
良かった......再び隣に寝転ぶ彼に視線を向けた。
本当に私のヒーローだ。
「ありがとうございました。」
「どういたしまして。一人で住んでた頃はどうしてたの?」
「えっと、怖いものには極力近づかないです。剛士くんと映画に行った日は、つばさちゃんにお泊りしてもらいました。」
「そうだったんだ。これからは、言ってくれたらいつでも泊まりに行くよ」
「ええっ!いいんですか?」
「みょうじさんの安全の保障はないけどね。」
「え?でも、守ってくれるんですよね。」
「気にしないで、こっちの話だから。」
「はい......?どうしようもない時は、いつもお風呂とトイレは歌を歌いながらが基本でした。」
「そうなんだ。他の声が聴こえてきたらとか思わないのか......」
「えっ?」
「ううん、なんでもないよ」
歌、そういえば......。
「どうして私がMimiって知ってたんですか?」
「ああ、無人島で歌ってくれたよね?母親の夢を見てて、歌声が聴こえて......目が覚めたら、みょうじさんの寝顔があったから」
「そういえば『うなされないといいな』と思って、無意識でした。驚きましたか?」
「うーん、驚いてないかな。暉が正しかったって思ったよ......可愛い子だったから。俺には気づいて欲しくなかった?」
その質問への答えは、考えるまでもなかった。
「一番気づいてほしかったんだと思います。だから、無意識で歌ってた。気付かれたら側に居られないと思ってたので、そういう点では気付いてほしくなかったんだと思います。」
彼に手を握られる。
優しいこの手がすごく好き。
繋いでくれたり、頭を撫でてくれたり、いつも励ましたり、甘やかしてくれる。
「それなら、よかった。ねぇ、何か歌ってよ。剛士は何回も聞いたことあるんだよね?正直、妬けちゃうな......」
「えっ!」
そんなこと言われるとは思ってなくて、声は裏返っていたと思う。
何か?
「子守唄とかですか?」
「ふふっ、寝かしつけてくれるの?」
彼はおかしそうに笑ってる。
「だ、だって......他に思いつかなくて。」
「いいね、ゆっくり眠れそう。」
「モーツァルトの子守唄......好きなんです」
笑い合うと、彼の頭を撫でながら口ずさむ。