【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第46章 心地いい時間
まだーー朝じゃない?
目覚めれば辺りはまだ真っ暗で、隣からは規則正しい寝息が聞こえる。彼の腕は私に回っていて、眠った時と同じで抱きしめられたままだった。そもそも、目が覚めた理由はお手洗いに行きたいからなんだけど。
お化け......?
勿論誰も起きていない。携帯で時間を確認すると午前2時だ。
丑三つ時......無理!2時を切り抜けたところで3時も危ないよね?
もう少し遅くまで粘って寝ればよかったけど、後悔してももう遅い。気づかなかったふりをして寝よう。そして眠れないのはお決まりな話。どうしようか考えているとーー
ーーガタガタッ
窓が大きな音を立てた。思わず叫びそうになって目の前の胸板に顔を埋める。
ーーゴオオオオッ
どうやら、風のようだ。
ーーザアアアアッ
「今度は、雨......?」
外は天気が悪いのかな?遊園地に居た時間はあんなにいい天気だったのに。それより、今はお手洗いだよ!
ゴロゴロ......
「へっ......?」
ーードーンッ!
「ひぃっ!」
か、雷!?外は嵐なの?
とにかく灯りをつけてみよう。照明のリモコンを手探りで掴むと、電源を押した。部屋に小さく灯りがつく。
でも、どうしよう......?
「ぷっ、はは!」
隣から声が聞こえた。
「ふふっ、深夜に一人でなにしてるの?」
寝起き特有のすこし掠れた声。
「ごめんなさい!起こしちゃいましたか?」
怖くて騒いだから増長さんが起きてしまった。夜叉丸さんに『動きがうるさい』って言われたことあったもんね。起き上がろうとすると、抱き寄せられる。
「気にしないで。怖かったね?」
強くギューッとしたまま頭を撫でてくれた。起こして申し訳ないけど、とても心強い。
「ありがとうございます」
「トイレに行きたいの?」
「どうしてですか?」
「怖がりなんだから、目的がないなら起きてもすぐに眠るかなって」
「うっ!そうです」
ぎゅーっと彼の背中に腕を回す。
「遊園地では、ああ言ったけど......ついて来てもらえますか?」
「まさか......自分から言ってくれるとは思わなかったよ」
「えっ?」
確かにいつもは誘導尋問されている気がする。
違う、違う、善意なのに失礼だよね?
「行こうか」
「ありがとうございます!」