【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第46章 心地いい時間
唇に柔らかいものが触れた。
「んっ」
「キスしたら怖くなくなった?はぁ......お化け屋敷に入ったのは失敗だったかな?お化けのことより俺のことを考えてほしいんだけど。」
私はポカンとしていただろう。
「まぁ、みょうじさんに触れたからいいか。」
「よ、よくありませんよ!」
「可愛いくて仕方ないから、どこでも触れたくなるんだよ。分かるよね?」
素敵な笑顔で、肩をガシッと掴まれる。
「なんとか説得しようとしないでくださいね?」
出口が近いことを願いつつ腕を組んで歩いていると、背後から足音が聞こえた。
なに......?
「 いやあああっ!」
見えたのは鎌を持って追いかけて来る男の人。
し、死ぬーー!
「みょうじさん!?」
彼を引きずる勢いで慌てて走り出すと、
扉が見えた!
全力で向こう側に入ると、扉を閉めて離れる。
ふぅ、よかった......。
ーーグサッ
「ひぃ!」
背後の扉に、斧が突き刺さった......?
「すごい演出だね......。」
感心している彼に対して、ボロボロな私。
どうにか、無事に生還したようだ。
「想像以上でした。」
力が入らず、思わずへたり込む。
「ごめんね、お疲れさま。」
彼に抱き起こされると、お化け屋敷を後にした。
「やっと、陽の光を浴びれました。」
言いながら伸びをした。
生きてて、本当によかった!
「本当に、嬉しそうだね。ふふっ、今夜は夢に出てくるかもね」
私の頭を撫でながら、とんでもないことを言い出す彼。
「へ、変なこと言わないでください!」
いけない、声が裏返っちゃった。
「大丈夫だよ、俺が隣で守ってあげるから。今夜は抱きしめ合って寝ようね?怖いならトイレもついて行ってあげるよ」
「トイレは......いいです。」
お仕置きの記憶が......頭をよぎる。
「今、前にキタコレの部屋であったこと考えた?」
「か、考えてません!変なこと言わないでください!!」
「あれも、俺たちの絆を深めた大切な思い出だよ」
なんだか、最初から全て操作されているような気がしてきた。
いやいや、疑ったらだめだよね!
善意で言ってくれてるんだから。