【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第46章 心地いい時間
これは......襖を開けないと進めないみたいだ。
「自分で開けさせるとか、悪趣味ですね。怖すぎる!」
「ふふっ、本当に一つ一つに怖がるね。お化けも大満足だね?」
「ええっ!」
彼は、全く動じていないみたい。
現れた畳の部屋を、そのまま奥に進んでいく。
そこには、人型の大きな人形が沢山転がっていた。
起き上がったりしないよね?
心臓はバクバクだ。
「ひぃっ!」
正面からはからくり人形がこちらにやって来る。
「なに、なに!?」
思わず彼の首元に顔を埋めた。
これで、何も見えない!
「神さま〜!」
「ははっ、突然どうしたの?」
それでも怖いもの見たさなわけで、片目を開ければ......人形が持つ器には鍵が入っていたようだ。
その鍵で奥の扉を開けるの?
沢山の人形の間を通るの?
「あああ、足を掴まれたりしませんか?」
もう、ドキドキで死にそうだ。
声が所々裏返る。
「それは、どうかな?大丈夫だよ。」
本当に、増長さんって......
「美しくて、勇ましい!」
「ふふっ、みょうじさんは怖がりで可愛いね?」
「えっ?」
扉から無事に出ると、障子が左右にある廊下に出た。
全てが、不気味だよ。
異様に暗いし......。
「もう、だいぶ出口が近いですかね?」
「うん、そうだね。」
「それにしても、この通路狭い......。」
ーービリッ
「きゃあああっ!?」
障子が破れて、沢山の手が左右から出てくる。
「ふふっ、大丈夫だよ。」
「も、もう無理!」
堪えていたけど、すぐに視界がぼやけた。
彼のおかげで、その通路を無事に通り抜けれた。
これで、もう終わりかな?
不意に目が合う。
「怖かったね......泣いてるの?」
声の方を見上げると、
ちょ、ちょっと待って!
額を合わせられて、近すぎる距離に涙が引っ込んだ。
「ふふっ、涙止まったね?」
「そ、そうですけど......近いです。」
身体を降ろされると、腕を掴まれ壁に縫い付けられる。
「へっ?」