【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第46章 心地いい時間
「ま、真っ暗......。」
当たり前だけど。
お化け屋敷特有の静けさと肌寒さを感じる。
細い通路を真っ直ぐに進むと、正面にお墓があった。
和風なお化け屋敷。
提灯の灯りが辺りを照らして、不気味だ。
「作り込まれてるね。」
「そ、そうですね。」
通路の脇には、骸骨。
極力近づかないように、壁づたいに歩いていく。
ーーガタッ!
「きゃああああっ!」
う、動いた!?
襲いかかるように両手を広げられて、パニックになる。
と、止まった......?
「みょうじさん?」
「はい......。」
見上げると、至近距離に美しいお顔が。
「ご、ごめんなさい!」
腕に抱きついてた!
カァーッと顔が熱をもつ。
あれ?
掴まれてる......。
「このまま進もうか?」
無人島の洞窟探検が彷彿される。
あの時もこんな感じだったな......。
「だ、大丈夫ですよ?」
入るって言ったのは私なんだもんね。
あまり、甘えるわけにはいかない。
「彼女なのに甘えないのはどうなの?」
笑顔の威圧感がすごい......。
結局甘えたけど......早く外に出たいし、陽の光が欲しい。
まだ最初なのに、大丈夫かな?
あと、どれくらいあるんだろう。
辺りには人型の大きな人形が沢山転がっているし、藁人形も目立つ。
本当に不気味。
キョロキョロしていると、何か声が聞こえたような?
なに......どこ?
「どうしたの?」
こちらを向く彼の背後。
「ぎゃああああっ!」
力いっぱいその身体を引き寄せた。
着物の女の人!
「一枚〜、二枚〜。」
目を瞑っていると声が遠くなる。
そのまま、通り過ぎて行ったみたい。
よかったぁ......。
「やっぱり、大胆なところがあるよね。」
声を辿ると自分の胸元に増長さんをを抱きしめていた。一気に顔が熱くなって、慌ててパッと手を離す。
「ごめんなさい!」
彼の背後に......思い出したらだめだ。
首を横に振っていると、
ーープチッ
小さな音が聞こえた。