【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第42章 キミとの出会いを運命に
ーーピコーンッ
携帯から特殊な着信音が聞こえてきた。
沙知から?
『口裏は合わせた。任せなさい!』
ええっ!
結果的にあの後は二人で夜を過ごす事になってしまった。
「浮かない顔してるね?例えばみょうじさんは恋人との外泊も親に正直に話したいタイプ?」
す、鋭い。
そちらを見ると優しく微笑まれた。
本当に彼は何でもお見通しみたい。
「嘘をつくのは嫌......言いたいです。沙知が話してるそうなので、今夜はこのまま泊まるしかないですけど......」
「そっか......」
「親に嘘はつきたくないです。その一回を怒られない為に、反対されない為に、ずっと後ろめたさを感じます。あとで謝っても何かしら後悔が残ると思う。どれだけ怒られても正直でいたい。自分が親の立場でもきっと悲しいと思うから」
微笑まれると優しく抱きしめられた。
ドキドキするのに安心する体温、香り。
目を閉じていると優しい声が聞こえる。
「そういう所も本当に好きだよ」
「ふふっ、ありがとうございます」
彼は私を褒めすぎだと思うけど嬉しい。
本当は私の方が頑張り屋さんの彼を褒めてあげたいんだけど......。
「それなら行こうか」
身体を離されると手を握られて気づけば部屋から飛び出していた。
「ど、どこに行くんですか!?」
「家だよ」
「えっと......誰の?」
「勿論、みょうじさんの!」
「ええっ!?」
「また東京に行くなら話さないとだしこんなに可愛い娘だよ。どんな人と仕事をしているか俺なら気になるな」
「ま、待ってください!」
「どうしたの?」
「きゅ、急展開すぎて......!」
その顔はポカンとしていただろう。
優しく微笑まれると手を握り直される。
世にいう恋人繋ぎだ。
「大丈夫だよ。任せて」
「な、何をですか?」
そうこうしている間に着いてしまった。
こうなったらもう流れに身を任せよう。
気合いを入れて勢い良くドアを開ける。
「た、ただいまー!」