第38章 ありがとうのStage ! (2期最終話)

「彼らは数々の困難を超えて、ここまで上がって来ました。彼らの今まで......全てがこの曲に詰まっています。

どんな困難の中でも、彼らは一際明るく輝きます。似たような、無理だと思う事を何度も実現してきました。

大きな会場でなくても、素晴らしい演出でなくても、彼らは誰にも負けません！！

彼らの音楽の力はすごいんです！！沢山の人を笑顔にして、幸せにする。

あなた方の心にも届いたこの曲を世界中に届けたい。出来るだけ多くの人達に聞いてもらいたいんです！！

どうか、私たちにお力添えをお願いします！必ず成功させてみせます！！」



きっと、届く。


届くよーー。











「本当にありがとう。」

「私は、何も......。」

あの場を後にして、二人で微笑み合った。


本当に良かった......。


「そんなことないし、もしそうだったとしても......隣に居てくれるだけでも、本当に心強いんだよ。」

そう笑ってくれるつばさちゃん。


......違うよ。


「それは、私のセリフだよ。今まで沢山助けられてきたし、私はつばさちゃんに人として憧れてる。出会った頃から、可愛いくて、優しくて憧れてたけど......今は、すごく強くて、真っ直ぐで、頑張り屋さんなところにも憧れてる。」


ちゃんと話さないといけない。


「夜叉丸さんの妹さんは私の友人で、恩人で......つばさちゃんと写真を見た日にその事実を知ったの。

篤志さんと話して、つばさちゃんのお父さんが関与していないことは分かってたけど......夜叉丸さんが納得できるまで、私を利用してもらおうと歌手活動をしてた。A&Rとして彼らやつばさちゃんの側にいたままで。」

「えっ......。」

「隠しててごめんなさい！今日、私に会ったことは皆には内緒にしておいてね。」

「なまえちゃん、待って！」


掴まれた腕を、そのまま引き寄せて抱きしめた。


「ライブ見に行くよ、夜叉丸さんと一緒に！成功することを願ってるから。本当に沢山ありがとう！」