【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第37章 Remember !
「最初から最後までご迷惑をおかけしてすみません......」
「目的は達成できそうかな?」
「はい、おかげさまでもうちょっとです」
「良かった。それでも気持ちは変わらないのかい?」
「はい......残念ですけど変わりません。篤志さんの提案はものすごくありがたいです。ありがとうございます」
「残念だね。みょうじくんの強さは優しさで君の魅力の一つだけど本当に欲しいものは『欲しい』って言わないと」
確かに幼い頃から兄と同じお菓子が欲しくても譲ってきた。
親が溢れんばかりの愛情を注いで育ててくれたのも一つの理由だろうけど、誕生日に欲しいものに悩むような子供だった。
でも今回こそは絶対に私が損をしないといけない。
得をしようとした先には大きな代償が待っている。
「一番の望みは違うものです。でも篤志さんの提案を選ぶには私は弱すぎるので......選べません」
「誰かに反対されたのかい?」
「いえ、されてないです。でも、私が選びたくないんです。」
本当は『欲しい』と口に出すことが恐いのかもしれない。
こんなに何かを求めたことなんてない。
「次回そういう機会があれば教訓にさせてもらいますね」
「それが今回であることを願っているよ」
その時私は願っていたのだろうか。
願っていなかったのだろうか。