【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第37章 Remember !
ある日の夕方、
なにやら夜叉丸さんが焦っている。
「ちょっと、なまえちゃん。付いてきて!」
「ちょっ、夜叉丸さん!」
私は問答無用で助手席に放りこまれた。
あれ?
キタコレのレコーディングの日が彷彿される。
なにか急ぎの用事なのかな?
素材撮影後の衣装のままなんだけど......。
「行き先はどこですか?」
「いいからついて来なさい!」
そう言うと車は急発進した。
「絶対に、いやですーー!」
着いたのは、昔通い慣れた場所だった。
「行きません!!」
「なまえちゃん、アタシを一人で敵地に送り込むの?」
ガシッと強く腕を握られる。
オネェ口調でもさすが男だ。
力強い!!
「わ、私この格好ですよ!?」
「大丈夫よ!」
頭は花冠に、オフホワイトのプリンセスラインの膝丈ワンピース。
ハイネック部分は総レースで、フレアな裾には7色のリボンが散りばめられている。
靴はリボンの編み上げパンプスだし。
完全に危ない人なんだよね。
「それ以前に......彼らに合わせる顔がありません!」
「大丈夫よ!」
「何がですか!」
そんな私たちのを呼ぶ声が聞こえた。
「みょうじくんと......朔ちゃん?」
「篤志さん!?」
私はすぐさまその背中に隠れる。
「ご無沙汰してます。突然ですが、助けてください!」
「どうかしたの?」
「この人が、私をガンダーラに連れて行こうとするんです!」
「なるほどね。朔ちゃん、みょうじくんは預かるよ。」
「失礼しまーす。」
「こら、アンタねぇーー!!」
その声を無視して、慌てて踵を返した。
その後は、大黒プロに来ていた。
ある意味......敵地?
でも、篤志さんは私の味方だ。
目の前の彼は優しく微笑んでくれる。
出会った頃から素敵だけど、ヨーコさんと進展したりしないのかな?
彼女も美人で素敵な人だし。
篤志さんと修二さんは、私の目的を知っている。
その上で応援してくれていた。