【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第35章 水辺のLabyrinth
「Mimiちゃん、お疲れさま!」
「お疲れさまでした!」
撮影時間をずらしてもらって、夕方からの撮影も無事に終えた。
全てが終わる頃にはすっかり日が暮れている。
「ま、真っ暗!」
「さっさと歩かないとオバケがでるわよ?」
「ひぃーー!」
「ふふっ、アンタって本当にからかい甲斐があるわね。」
懐中電灯で辺りを照らしながら、夜叉丸さんと山道を下っていると
あれ......見間違いかな?
滝方面から下って行く途中で、声が聞こえて立ち止まる。
「どうしたの?」
「夜叉丸さん、何か聞こえました。」
「え?」
遠いからバレないだろう。
岩場に隠れてそちらを見る。
私の立っている位置からは少し下がった位置のようだ。
「あーら、悠太と遙日じゃないの?」
そこには二人が居た。
他の人がいる気配はなさそうだし、悠太くんは極度の方向音痴だ。
まさか、迷子になってるのかな?
様子を伺えば両手で顔を覆っている。
迷子だ......!
私自身、方向音痴だからよく分かる。
二人の様子を見れば座り込んでるし、ここに来てしばらく時間が経っているのかな?
誰かが彼らを探しているかも......。
〜 ♪
「ちょっと、なまえちゃん!?」
思わず歌い出したのは、皆が知ってる童謡でお星さまの歌。
なるべく、遠くまで響くように歌う。
「金城さん、何か聞こえませんか?」
「唯月、この声辿るぞ!」
「えっ?」
「声の先にアイツらが居る!」
歌い始めてしばらく経った頃、
「はるーー!」
「阿修ーー!」
唯月くんと剛士くんの声が聞こえた。
「帰りましょう。」
夜叉丸さんと私はその場を後にした。