【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第35章 水辺のLabyrinth
夕食を済ませた後、彼らはゆっくりとした時間を過ごしていた。
辺りは真っ暗、囲うテーブルにはキャンドルの灯り。
それが、辺りを優しく照らしている。
話題はアルペジオを弾いていた金城に集まった。
「川に飛び込んで剛士は何処にいたんだよ?戻って来た頃には滝に着いてしばらく経った頃だったし。遠かったけど、聞こえたのは女の子の声だったよな?」
愛染はその点が特に気になっていたようだ。
「はっ?人助けるのに理由が必要なのかよ。」
「ごうちん、男前〜!」
満面の笑みで金城に飛びつく阿修。金城はそれを拒む。
「阿修、離れろ......。」
「剛士より先に飛び込めば良かった......運命の出会いだったかもしれないのに......。」
前髪をいじる愛染に面倒くさそうに対応する金城。
「いや、それはねぇな......。」
「今日、撮影してた子いましたもんね?どんな子でした?」
「はると同じで、僕も気になります......。」
「どんな子......?普通じゃねぇな。」
「「えっ?」」
周りの皆は首を傾げる。
「愛染は釣りしてた爺さんに帽子被せたら、海の幸もらったんだろ?で、百太郎が仙人だって。アイツも今考えると、人間じゃなかったのかもな......。」
詮索されたくないので、人ということにしたくない彼。
このまま切り抜けるつもりだった。
「「ええっ!?」」
「人間じゃないって、剛士は怖がりなのに大丈夫だったの?」
「あ、足はあったからな。」
「そこ......重要なのかな?」
「ゆ、幽霊の類いだったんですか!?」
「いや、俺は幽霊なんて一言も言ってない。」
「じゃあ、何だったんだ?」
(しつけぇな、コイツら。むしろ、アイツの方が......。)
「仙人がいたなら......天使かもな。」
「「天使!?」」
「ごうちんの口からそんなメルヘンな言葉が聞けるなんて!!」
「うるせぇ!とにかく、この話は終わりだ。」