第35章 水辺のLabyrinth

「本当に焦ったけど、二人とも無事で良かったな！」


あの後、彼らは無事に帰っていた。


「ああ、本当に良かった......。」

「剛士くんのおかげです！」

「うんうん、ごうちんのおかげだね ♪」


その言葉に困惑する周り。


「えっ......どういうこと？」

「えっと、僕たちが居た近くから歌声が聞こえてきて......その声を頼りにごうちんが、ゆづを誘導して助けに来てくれたんだ！！」

「まさに、天使の歌声でしたよねー！」

「うん、すごかった......。」


「ほらな？だから言ったろ。」


「なに、それ。天使が剛士に恩返しをしたってこと？可愛すぎない？」

「剛士、俺も詳しく聞かせてほしいな。」


「増長には、一番会いたくなさそうだったけどな。」

「えっ！？なんで俺だけ？」


「なーに？まっすー、日頃の行いが悪いのかな〜？」


「リーダー、どういうことだ？」

「リーダー？」


「もう、この話は終わりにしよう。ね？」

「そうだな。騒ぎにしたらかわいそうだろ？」


「ごうちんが天使好きだったって初めて知ったよ！次の衣装は〜羽が生えたのにしよう ♪ 」


「阿修ー？」

「猫耳エンジェル、ごうちん！」

「おい！」

「なんだか、剛士はなまえに出会って人に優しくなったね。彼女には人を優しくする力があるのかな？」

「俺もみょうじさんといたら優しくなれる気がするよ。」

「和南は老若男女問わず優しいだろ。誰にでも優しいから、本当に好きな人には伝わらないかもね？」

「俺の優しさはみょうじさんにだけにでいいよ。健十がさっき驚いてたカエル......捕まえてきてプレゼントしてあげようか？」

「こら〜、二人ともケンカしない！最近、ケンケンとまっすー仲悪いの？」

「「そんなことないよ？」」

「ほんとだね、息ピッタリ！！」

「とにかく、一件落着だな。」


こうして、

キャンプの夜は更けていったのだったーー。