【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第35章 水辺のLabyrinth
「あれ、何かの撮影してるのかな?」
愛染が指差した先には撮影陣の姿があった。
彼らからすれば、見慣れた光景だろう。
「女の子だね。声かけようかな?」
遠くだが、衣装から分かったようだ。
「あのな、そういうのやめろ!俺たち全員が女好きだと思われんだろ。」
「スキャンダルになってもいけない。」
「ケンケン、皆に迷惑かかっちゃうよ〜!」
「分かったよ......。」
「わっ!は、遙日......なに?」
突然、遙日にお尻を掴まれて声を上げたのは増長だ。
「うーん......増長さんのお尻の形はとても綺麗なので、あとはもう少し柔らかさがあると完璧ですね。」
「えっ!?」
「あ、恒例のお尻チェックです!もうちょっとお肉がついてた方が俺好みですね。」
「そうなんだ。えっと、とりあえず手......離してもらっていい?」
「確かに、男に触られてもね。どうせなら女の子に触られたいな。」
「こら〜、ケンケン!」
「そうだね。」
「こら〜、まっすーまで!」
「実は......ずっと音済くんのお尻も気になってたんですよね。」
「えっ......。」
「その小ぶりかつ見事なヒップラインは、大円筋を鍛えてるだけ......いえ、きっと違いますよね?実際に触って確かめさせてくださーい!」
遙日が音済に詰め寄る。
音済は遙日の目の前に携帯の画面を突き出した。
「おっ!」
「この近くにある滝、すごいパワースポットなんだ。上流の滝の景色はすごく綺麗で、癒し効果も抜群にすごいらしい。因みにすごい仙人もいる。」
「珍しく、百が焦ってる......。」
「ああ、すごいでなんとか押し切ろうとしてるな......。」
「とにかく、すごいんだ!」
「そんなにすごいんですか!?」
「おっ、納得した?」
「行ってみたくないか?そのすごい場所に。」
「行ってみたいです。」
彼らは、滝を目指して断崖絶壁の道を歩いていた。
足場が悪い為、滑った唯月が川に落ちそうになる。
その腕を遙日が間一髪で掴んだ。
ーーがっ、
「きゃあああ!」
バッシャーーンッ!
少し離れた場所で誰かが落ちる音がした。
「お前ら先に行ってろ。後で、追いかける!」
「ちょっと、剛士!!」
「ごうちん!!」
金城は躊躇なく、川に飛び込んだ。