第35章 水辺のLabyrinth

「川だーーー！」


その綺麗さに、大きく手を広げて叫んでしまった。


「アンタ、うるさいわよ！」

「えー！カリカリ、ピリピリ、してる夜叉丸さんに自然のプレゼントですよ？」

「ウソおっしゃい！！仕事でしょ？新曲のPV撮影！！」


私達が来ていたのは綺麗な渓谷。

川の水は嘘みたいに澄んでいる。

覗けば、綺麗な青の中に川底がくっきりと見えた。


「最初はもっと下流で撮影するみたいだから、戻るわよ。」

「はーい！」


手首を掴んでくれた彼は、第二のお兄ちゃんのようだ。

私が勝手に思ってるだけなんだけどね。


やっぱり妹がいた人だなって思う。

その証拠に年下の女の子の扱いが上手で、一緒に居ても違和感なく過ごせるんだよね。