【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第31章 I loved good bye
「ごめんなさい!」
色んな感情がグシャグシャになって彼の胸を押して駆け出した。
ーードンッ
廊下に差し掛かった所で誰かにぶつかる。
「すみません......」
尻もちを着いた私に差しのべられる手を掴む。
「あ、ありがとうございます」
顔を上げるとよく知った姿があった。
「ま......増長さん?」
まさか......聞かれた?
「大丈夫?」
私を抱き起こしてくれた彼はいつも通り。
剛士くんとの会話は聞かれてなかったみたい。
「泣いてたの?」
目元を優しく拭われる。
「本当に泣き虫だね」
「ま、増長さん!?」
自然な動作で抱きしめられた。
こんな風にしてもらう資格なんてない。
彼の胸を押してその腕から逃れる。
「こういうの......辞めてください」
嫌いになってくれればいい......。
「あの時は言えなかったけど俺はどんなみょうじさんでも受け入れるよ」
それは......帝人さんが辞めてしまうかもしれない日に私が阻んだ言葉だった。
「竜持に言われて気付いたんだ。本当はずっと前からみょうじさんのことが好きだったんだと思う。今まで言ってきたことは全部本当だよ。何処にも行かないで......」
許されない。
許されてはいけない......。
頭の中では
警告音が痛いくらいに鳴っていたーー。